農家は持続化補助金でホームページを作れる?系統出荷だけだと対象外になる理由と直売・通販ページの考え方

野菜や果物を自分で売りたい、加工品を通販で届けたい。直売や通販を始めるときにホームページを作ろうとして、持続化補助金が農家でも使えるのか気になる方は多いと思います。
農家の場合は、今どのように売っているかで、申請できるかどうかが分かれます。この記事では、第20回の公募要領とよくある質問をもとに、農家が持続化補助金でホームページや通販サイトを作るときの決まりを整理しました。
- 系統出荷だけだと対象外になる理由
- 1次産業と2次・3次産業の線引き
- 通販ページで対象になる費用
- 地域の特産品で使える加点
2026年10月時点で、小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回の公募要領(第8版)、参考資料(2026年10月)、申請時によくあるご質問で確認できた内容です。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
目次
系統出荷の収入だけの個人農家は申請できない
公募要領の「補助対象にならない者」には、系統出荷による収入のみである個人農業者が挙がっています。系統出荷とは、農協などの生産者組合への出荷のことです。林業・水産業の方も同じ扱いです。
よくある質問では、系統出荷の収入のみの個人事業主は「商工業者とみなすことができず申請の要件を満たしません」とされています。一方で、系統出荷以外の事業も行っている場合は、補助の対象になり得ます。
| 今の売り方 | 持続化補助金 |
|---|---|
| 農協への出荷だけ | 申請できない |
| 出荷+直売所や店頭販売 | 対象になり得る |
| 出荷+加工品の販売 | 対象になり得る |
| 農業法人(株式会社など) | 対象になり得る |
| 農事組合法人 | 申請できない |
農事組合法人は、公募要領で補助対象にならない者に挙がっています。株式会社などの会社であれば、会社として対象になり得ます。
1次産業の経費は対象外、線引きは「収穫まで」
系統出荷以外の事業をしていても、どの経費でも対象になるわけではありません。公募要領では、農作物の生産自体に必要な経費は対象外で、加工や料理の提供などに必要な経費が対象になるとされています。
よくある質問では、農業は収穫までが1次産業、それより後の加工や販売などは2次・3次産業の取り組みと考える、と説明されています。
対象外の例(1次産業)
- 種・苗・肥料
- 栽培や収穫の機械
- 生産に使える機器
対象になり得る例
- 通販のホームページ
- 直売のチラシ
- 加工品のパッケージ
2次・3次産業のために買うものでも、1次産業(系統出荷を含む)に使える機器の費用は対象外とされています。直売のためと思って買う機械でも、畑で使えるものは対象になりません。
通販・直売のページで対象になる費用
第20回の参考資料では、ウェブ上で公開するものとして、ECモールへの出店の初期費用、ECモールやホームページに載せる写真の制作費、ECモール・ホームページの構築費が、ウェブサイト関連費の例に挙がっています。よくある質問では、ホームページに買い物かごを追加する費用もウェブサイト関連費とされています。
| 費用 | 経費区分 |
|---|---|
| 直売・通販のホームページ | ウェブサイト関連費 |
| 買い物かごの追加 | ウェブサイト関連費 |
| ECモールの出店の初期費用 | ウェブサイト関連費 |
| 商品写真の撮影 | ウェブサイト関連費 |
| 直売のチラシ | 広報費 |
ウェブサイト関連費の補助金の申請額は30万円(税込)が上限で、ウェブサイト関連費だけでは申請できません。チラシや展示会への出展など、同じお客様に向けた取り組みと組み合わせて計画します。
ホームページに載せたい情報
- 作っているものと、とれる時期
- 育て方や産地のこと
- 買える場所と送料
- 飲食店などとの取引の案内
とれる時期が季節で変わる農産物は、時期ごとの案内があるだけで問い合わせが減ります。生産者のホームページで載せる情報は、次の記事でも詳しく説明しています。
あわせて読みたい八女市の生産者・つくり手向け|通販につながるホームページ制作と載せる情報通販につながる、生産者のホームページの載せ方2026.08.20
地域の特産品を地域の外へ売るなら加点もある
よくある質問では、政策加点の1つ「地方創生型加点」のうち「地域資源型」として、地域の特産物である農林水産品などを活用し、地域外への販売や新規事業の立ち上げを行う計画が挙げられています。
加点を使うには、申請の画面で該当する類型を選び、取組計画を入力します。特産の農産物を通販で県外に届けるような計画なら、検討の余地があります。どの加点が合うかは、地域の商工会・商工会議所に相談してください。
自分で生産した農産物を販売する事業は、参考資料で「商業・サービス業」ではなく「製造業その他」に分類されています。この場合、常時使用する従業員が20人以下であることが条件です。
第20回の日程と、制作会社に頼めること
| できごと | 第20回の日付 |
|---|---|
| 申請受付 | 2026年11月5日〜 12月15日17:00 |
| 様式4の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 採択発表 | 2027年3月頃の予定 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日 |
申請書類(経営計画・補助事業計画など)は、事業者ご自身が作るものです。行政書士法により、行政書士でない者が報酬を得て官公署に出す書類を作ることはできないため、WEB PREPAは申請書類の作成や申請の代行はしていません。お手伝いできるのは、申請に使える内訳つきの見積書と、発注書・納品書・請求書の用意、そして期間内の制作です。詳しくは 補助金を使ったホームページ制作のページ にまとめています。
公式の情報
補助金の決まりは回ごとに変わります。上限額・対象経費・締切は、申請する回の最新の公募要領で必ずご確認ください。計画の中身は、地域の商工会・商工会議所に相談しながら決めるのが確実です。
よくある質問
農協に出荷しているだけの農家は申請できますか?
できません。系統出荷による収入のみの個人農業者は、商工業者とみなすことができず、申請の要件を満たさないとされています。
直売所にも出していれば申請できますか?
系統出荷以外の事業も行っている場合は、補助の対象になり得ます。ただし、対象になるのは販売や加工など2次・3次産業の取り組みの経費で、生産そのものの経費は対象外です。
通販サイトの買い物かごは何費になりますか?
ウェブサイト関連費です。よくある質問で、ホームページに買い物かごを追加する費用はウェブサイト関連費として計上するよう案内されています。
直売のために買う機械は対象になりますか?
1次産業(系統出荷を含む)に使える機器の費用は対象外とされています。畑や収穫の作業にも使えるものは対象になりません。
農家の従業員は何人まで大丈夫ですか?
自分で生産した農産物を販売する事業は「製造業その他」に分類され、常時使用する従業員が20人以下であることが条件です。パート・アルバイトも数に入ります。
採択されなかったら、費用はかかりますか?
制作の発注は交付決定のあとに行うため、採択されなかった場合は、その時点で制作の費用は発生しません。自費で進めるか、次の回に申請し直すかを選べます。