飲食店の持続化補助金、ホームページに何を入れる?通販・英語ページ・改装の分け方

「持続化補助金で、お店のホームページを作れないか」。そう考えている飲食店のオーナーの方に向けた記事です。飲食店は、ホームページのほかにテイクアウトの準備や店内の改装、お取り寄せの通販など、一緒に計画へ入れやすい取り組みが多く、どの経費に入るかで使える金額が変わります。
この記事では、第20回の公募要領と、2026年10月に出た参考資料・よくある質問をもとに、飲食店がホームページを入れて計画を組むときの経費の分け方を整理しました。
- 飲食店は従業員何人までが対象か
- ホームページの枠30万円に入る費用
- テイクアウト・通販・宴会の組み方
- 通販サイトで注意する収益納付
2026年10月時点で、小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉の第20回公募要領(第8版)、第20回の参考資料(2026年10月)、申請時によくあるご質問(第20回)で確認できた内容です。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
目次
飲食店は従業員何人まで?弁当・総菜で基準が変わる
持続化補助金の対象になるかどうかは、業種ごとの「常時使用する従業員の数」で決まります。飲食店は、料理をその場で出すだけなら「商業・サービス業」です。一方、第20回の参考資料では、流通性のある弁当・総菜・お土産を作っている店は「製造業」に分けられる例が示されています。
| 店の形 | 業種の区分 | 従業員の基準 |
|---|---|---|
| 店内で料理を出すだけ | 商業・サービス業 | 5人以下 |
| 弁当・総菜・お土産も作る | 製造業 | 20人以下 |
| 区分の判断が難しい | その他 (製造業その他の基準) |
20人以下 |
パートタイムで働く人も、常時使用する従業員に含まれます。派遣社員は含みません。ランチ営業でパートの人が多い店は、まず人数を数えておきましょう。どの区分になるか迷う場合は、地域の商工会・商工会議所に聞くのが確実です。
ホームページの費用だけでは申請できません。第20回のよくある質問では、広報費だけ、ウェブサイト関連費だけの申請はできず、この2つを組み合わせた申請は可能とされています。増やしたいお客様に向けた取り組みを1つ決め、そのためのホームページと、ほかの経費を組み合わせます。
ホームページの枠30万円に入る飲食店の費用
第20回の参考資料には、申請の内容にかかわらず「ウェブサイト関連費」として扱う費用の例がまとまっています。飲食店に関係しそうなものを抜き出すと、次のとおりです。
- ホームページの作成・更新・改修
- ホームページに載せる料理写真
- ホームページの英語翻訳
- ホームページにも使うロゴ
- 予約・顧客管理のシステム
- ネットショップの買い物かご
- ECモールへの出店の初期費用
ロゴは、チラシとホームページの両方で使う場合もウェブサイト関連費になります。一方、SNS広告やインターネット広告だけに使う画像・動画は広報費です。料理写真をホームページにも広告にも使うなら、ウェブサイト関連費に入ります。
HPの枠30万円に入るもの
- ホームページ制作
- 料理写真の撮影
- 英語ページの翻訳
- 予約システム
枠の外で組めるもの
- 店内の改装
- オーブン・冷凍冷蔵庫
- チラシ・看板
- SNS広告
ウェブサイト関連費の申請額の上限は30万円(税込)で、賃金引上げ特例などで全体の上限が上がっても、この枠は増えません。補助率2/3で計算すると、課税事業者の場合は税抜45万円分の経費で枠がいっぱいになります。写真撮影や翻訳も頼むときは、ホームページ制作と合わせて45万円を超えないかを先に計算しておきます。
テイクアウト・通販・観光客・宴会4つの組み方
持続化補助金は、新しいお客様や売り方を増やす取り組みを支える制度です。飲食店なら、増やしたいお客様を1つ決めて、ホームページと、同じお客様に向けたほかの経費を組み合わせると、計画の筋が通りやすくなります。
| 狙い | ホームページで作るもの | 組み合わせる経費の例 |
|---|---|---|
| テイクアウトを始める | 持ち帰りメニュー 注文の受け方の案内 |
オーブン・冷凍冷蔵庫 (機械装置等費) |
| お取り寄せ通販 | ネットショップ 商品の写真 |
新しい包装のデザイン (新商品開発費) |
| 海外からの観光客 | 英語のメニューページ | 店頭の看板 (広報費) |
| 宴会・貸切を増やす | コースと予約のページ | 個室への改装 (委託・外注費) |
包装のデザインを新商品開発費に入れる場合は、テストマーケティングや市場調査の内容と結果を、計画か実績報告に書く必要があります。看板やチラシは、商品やサービスの宣伝であることが条件で、宣伝を目的としない看板は対象外の例に入っています。
ホームページで作るページは、増やしたいお客様が知りたいことから決めます。WEB PREPAの飲食・カフェの制作例「MINAWA COFFEE」では、営業日を一目で分かる表にし、季節のメニューを更新しやすい作りにしています。
店内の改装とホームページを一緒に出すとき
店舗の改装は委託・外注費に入り、ホームページの枠30万円とは別に計上できます。ただし、税抜50万円以上の改装工事は「処分制限財産」になることがあり、補助事業が終わったあとも一定の期間は、目的外の使用や取り壊しが制限されます。
支柱と屋根だけのテラス席は「不動産の取得」に当たらないとされています。一方で、三方以上を壁で囲い、基礎で地面に固定するような増築は、不動産の取得として対象外になることがあります。ホームページ全体の構成やメニュー価格の書き方は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい飲食店のホームページはグルメサイトと何を分ける?メニュー価格・宴会ページの載せ方グルメサイトとの役割分担と業態別の構成2026.10.15
通販サイトを作るなら知っておきたい「収益納付」
お取り寄せの通販を始めたい店で、先に知っておきたいのが「収益納付」です。補助事業の結果として直接生まれた利益は、その分を交付する補助金から減らす扱いになっています。第20回の参考資料では、次のように分けられています。
| 補助金で作るもの | 収益納付の対象 |
|---|---|
| ネットショップ (買い物かご・決済) |
なる |
| ECモールでの販売 | なる |
| ホームページの作成・改良 | ならない |
| 店舗の改装 | ならない |
| チラシ・広告の掲載 | ならない |
ネットショップを入れる場合は、申請の入力画面にある「補助事業に関して生ずる収入金に関する事項」を「あり」にして、該当する内容を簡潔に書くよう案内されています。賃金引上げ特例や賃上げ加点を選んだ場合、利益を数える期間は、補助事業をいつ終えても2028年3月31日までになります。
通販で利益が出るほど、受け取れる補助金が減る可能性があります。店の予約や持ち帰りの案内を先にホームページで整え、通販は自費で後から始める、という分け方もあります。どちらがよいかは、計画の中身と合わせて商工会・商工会議所に相談してください。
予約システム・POSレジの扱い
予約や顧客管理のシステムはウェブサイト関連費です。POSレジのソフトは、補助事業計画の「業務効率化(生産性向上)の取組内容」に書いた場合に限って対象になります。レジに使うタブレットやパソコンは、目的外にも使えるものとして対象外です。
また、契約期間が補助事業期間を越えるソフトウェアの使用権は、補助事業期間の分だけが対象です。年契約の予約システムを使う場合は、見積書の段階で期間を確かめておきます。
対象にならない費用と第20回の日程
飲食店でつい計画に入れてしまいがちな費用でも、対象外と書かれているものがあります。見積書の段階で外しておきましょう。
- 食材など、販売する商品の仕入れ
- 試食会などの飲食・接待の費用
- キッチンカーの車両本体
- 梱包材・名刺などの消耗品
- パソコン・タブレット
- 交付決定前に発注した費用
- 期間内に公開まで至らなかったページ
キッチンカーは車両本体が対象外です。移動販売のために今ある車を改装する場合は、改装する部分だけが委託・外注費として対象になり得ると、第20回のよくある質問に書かれています。
第20回で進める順番
- STEP 1商工会に相談様式4は12月4日まで
- STEP 2電子申請12月15日17時まで
- STEP 3採択・交付決定採択は2027年3月頃
- STEP 4発注・公開2028年3月31日まで
採択の発表は2027年3月頃の予定で、交付決定には採択から1〜2か月ほどかかる場合があります。2027年の年末の宴会シーズンのように、交付決定のあとに来る時期を目標にすると、無理のない計画になります。
申請書類(経営計画・補助事業計画など)は、事業者ご自身が作るものです。行政書士法により、行政書士でない者が報酬を得て官公署に出す書類を作ることはできないため、WEB PREPAは申請書類の作成や申請の代行はしていません。WEB PREPAがお手伝いできるのは、申請に使える内訳つきの見積書と、発注書・納品書・請求書の用意、そして期間内の制作です。詳しくは 補助金を使ったホームページ制作のページ にまとめています。
公式の情報
補助金の決まりは回ごとに変わります。上限額・対象経費・締切は、申請する回の最新の公募要領で必ずご確認ください。計画の中身は、地域の商工会・商工会議所に相談しながら決めるのが確実です。
よくある質問
一人で営む小さな店でも申請できますか?
個人事業主も対象になり得ます。申請時点で開業している必要があり、開業届の開業日が申請日より後の場合は対象外です。商工会・商工会議所の会員でなくても申請でき、事業支援計画書(様式4)の発行を受けてから電子申請します。
グルメサイトの掲載料は対象になりますか?
公募要領と第20回のよくある質問には、グルメサイトの掲載料を名指しした記載はありません。インターネット広告やバナー広告は広報費の例に入っていますが、記載のない費用は補助金事務局に事前に問い合わせるよう案内されています。計画に入れる前に確認してください。
料理写真をプロに撮ってもらう費用は対象ですか?
ホームページに載せる写真の制作費は、ウェブサイト関連費の例に入っています。SNS広告だけに使う写真は広報費になります。料理の撮影で使う食材や小道具の購入費は対象外です。
英語のメニューページを足すだけでも使えますか?
ホームページの更新・改修や英語翻訳もウェブサイト関連費に入ります。ただし、ウェブサイト関連費だけでは申請できないので、店頭の看板やチラシなど、同じお客様に向けたほかの経費と組み合わせます。
採択されなかったら、制作費はかかりますか?
発注は交付決定のあとに行うため、採択されなかった場合は制作費は発生しません。そのまま自費で進めるか、次の回に申請し直すかを選べます。
制作会社が廃業したら、ホームページはどうなりますか?
ドメインとサーバーの契約がお店の名義なら、別の会社に引き継いで使い続けられます。税抜50万円以上で作ったサイトは処分制限財産になり、一定期間は勝手に廃棄できないため、名義は申請前に確かめておいてください。