工務店の持続化補助金、ホームページはどう組み込む?施工事例・見学会・CADの扱い

「持続化補助金で、うちのホームページを作り直せないか」。そう考えている工務店・リフォーム会社の方に向けた記事です。工務店の計画は、ホームページのほかに住宅フェアへの出展やチラシ、見学会など、組み合わせる経費の選び方で中身が大きく変わります。
この記事では、第20回の公募要領をもとに、工務店がホームページを入れて計画を組むときに、どの費用がどの経費に入るのか、どこで枠を使い切りやすいのかを整理しました。
- 工務店は従業員何人までが対象か
- ホームページの枠30万円に一緒に入る費用
- 見学会・住宅フェア・チラシの経費の分け方
- 補助金で作るページの決め方
2026年10月時点で、小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉の第20回公募要領(第8版)と、第19回の参考資料・補助事業の手引きで確認できた内容です。お客様の住宅リフォームに使う国や自治体の補助金とは別の制度の話です。申請前に必ず最新の公募要領をご確認ください。
工務店は持続化補助金の対象になる?
持続化補助金の対象は「小規模事業者」で、業種ごとに常時使用する従業員の数で決まります。第19回の参考資料では、建設業のように商業・サービス業・製造業に当てはめにくい事業は「その他」として、「製造業その他」の基準を使うとされています。
| 項目 | 第20回の内容 |
|---|---|
| 従業員数の基準 | 20人以下 (製造業その他) |
| 補助率 | 2/3 |
| 補助上限 | 50万円 (特例で上乗せあり) |
| ホームページの上限 | 申請額30万円(税込) |
業種の判定は、今の業態か今後予定している業態で行います。第20回の参考資料は「後日公開」とされているので、公開後に基準が変わっていないかを確かめてください。従業員の数え方に迷う場合は、地域の商工会・商工会議所に聞くのが確実です。
ホームページの費用だけでは申請できません。工務店の場合は、新しく増やしたいお客様に向けた取り組みを1つ決め、そのためのホームページと、ほかの経費を組み合わせる形になります。
ホームページの枠30万円に入る費用
工務店で気をつけたいのは、ホームページ以外にも「ウェブサイト関連費」に入る費用があることです。第20回の公募要領では、次のようなものがこの経費の例に挙がっています。
- ホームページの作成・更新・改修
- サイトに載せる宣材写真の制作費
- 顧客管理システムの構築
- 設計用の3次元CADソフト
- 効果や作業内容が明確なSEO対策
公募要領は、図面提案の精度を上げる設計用3次元CADソフトを、販路開拓のための特定業務用ソフトウェアの例として挙げています。このため、ホームページとCADソフトの両方を入れると、同じ30万円(税込)の枠を分け合うことになります。
HPの枠30万円に入るもの
- ホームページ制作
- 施工事例の写真撮影
- 3次元CADソフト
- 顧客管理システム
枠の外で組めるもの
- 住宅フェアへの出展
- チラシ・看板
- 見学会の会場を借りる
- 建設機械の購入
ホームページの枠は申請額で30万円です。補助率2/3で計算すると、課税事業者の場合、税抜45万円分の経費で枠がいっぱいになります。CADソフトや写真撮影も入れたいときは、合計で45万円を超えないか、先に計算しておきます。
見学会・住宅フェア・チラシはどの経費?
工務店の集客でよく使う取り組みは、公募要領では次の経費に分かれます。ホームページと同じお客様に向けた取り組みを選ぶと、計画の筋が通りやすくなります。
| 取り組み | 入る経費 | 注意点 |
|---|---|---|
| 住宅フェア・相談会への出展 | 展示会等出展費 | 期間内の開催分だけ |
| 自社の見学会の会場代 | 借料 | 補助事業専用の分だけ |
| チラシ・ポスティング | 広報費 | 上限30万円 広報費だけは不可 |
| 看板の作成・設置 | 広報費 | サービスの宣伝が必要 |
| ショールームの改装 | 委託・外注費 | 税抜50万円以上は 処分制限あり |
チラシや看板は、商品やサービスの名前と事業者名が入った宣伝であることが条件です。社名だけの看板や会社案内のパンフレットは、単なる会社のPRとして対象外の例に入っています。また、第20回では広報費もウェブサイト関連費と同じく「のみによる申請はできません」とされています。ホームページとチラシの2つだけで組む場合は、要件の読み方を商工会・商工会議所で確かめておくと安心です。
機械や車はどう扱われる?
機械装置等費では、ブルドーザーやパワーショベルのような自走式の作業用機械は対象の例に入っています。一方で、それ以外の自動車などの車両や、パソコン・タブレットのように目的外にも使えるものは対象外です。軽トラックや営業車は、計画に入れても補助の対象にはなりません。
補助金で作るページの決め方
補助金で作るホームページは、計画に書いた取り組みが伝わるページであることが大切です。実績報告でも、計画にもとづくサービスの内容がわかる画面の写しを出すことになります。工務店なら、たとえば「水まわりリフォームを新しく始めて、近くの60代以上の世帯に広める」といった計画に合わせて、ページを決めていきます。
計画からページを決める流れ
- STEP 1増やすお客様地域と年代を決める
- STEP 2売り出す工事新しいサービスを1つ
- STEP 3見せる事例写真と工事の内容
- STEP 4作るページ見積の受け口まで
| ページ | 載せる内容 |
|---|---|
| 新しいサービスのページ | 工事の内容 費用の目安 |
| 施工事例 | 工事前と工事後の写真 工期と地域 |
| 対応エリア | 市町名 出張できる範囲 |
| 見積依頼フォーム | 工事の場所 希望の時期 |
施工事例の写真をプロに撮ってもらう費用は、宣材写真の制作費としてウェブサイト関連費に入ります。すでにある事例写真を使うなら、その分の枠をページの作り込みに回せます。工務店のホームページ全体の構成は、別の記事にまとめています。
あわせて読みたい工務店のホームページ制作ガイド|必要なページ・施工事例の見せ方・費用と進め方施工事例と問い合わせ導線の作り方2026.09.25
工務店が外しておく費用と日程
工務店のホームページによく入っているページや費用でも、補助の対象にならないものがあります。見積書の段階で分けておくと、あとで金額を外す手間がなくなります。
- 採用・求人のページ
- 会社案内のパンフレット・名刺
- 交付決定前に発注した制作費
- 期間内に運用に至らなかったページ
- 補助事業の期間を越えるドメイン・サーバー代
求人情報のページは、第19回の補助事業の手引きで、商品・サービスの広報ではないとして対象外とされています。職人の採用ページも一緒に作りたい場合は、見積書で別の項目にして、補助対象とは分けて考えます。
| できごと | 第20回の日付 |
|---|---|
| 様式4の発行受付締切 | 2026年12月4日 |
| 申請受付 | 2026年11月5日〜 12月15日17:00 |
| 採択発表 | 2027年3月頃の予定 |
| 補助事業の実施期限 | 2028年3月31日 |
住宅フェアへの出展は、出展の申し込みだけなら交付決定前でもかまわないとされています。ただし、請求書の発行日や出展料の支払日が交付決定日より前だと対象外です。春の住宅フェアに出たい場合は、採択発表と交付決定の時期を見ながら日程を組みます。
申請書類(経営計画書・補助事業計画書など)は、事業者ご自身が作るものです。行政書士法により、行政書士でない者が報酬を得て官公署に出す書類を作ることはできないため、WEB PREPAは申請書類の作成や申請の代行はしていません。WEB PREPAがお手伝いできるのは、申請に使える内訳つきの見積書と、発注書・納品書・請求書の用意、そして期間内の制作です。詳しくは 補助金を使ったホームページ制作のページ にまとめています。
公式の情報
補助金の決まりは回ごとに変わります。上限額・対象経費・締切は、申請する回の最新の公募要領で必ずご確認ください。計画の中身は、地域の商工会・商工会議所に相談しながら決めるのが確実です。
よくある質問
一人親方でも持続化補助金に申請できますか?
個人事業主も対象になり得ます。申請時点で開業している必要があり、開業届の開業日が申請日より後の場合は対象外です。そのほかの要件は公募要領で確認し、地域の商工会・商工会議所で事業支援計画書(様式4)の発行を受けます。
施工事例の写真撮影も補助の対象になりますか?
ホームページに載せる宣材写真の制作費は、ウェブサイト関連費の対象の例に入っています。ただし、ホームページの制作費と同じ申請額30万円(税込)の枠の中で計上します。
軽トラックや営業車は対象になりますか?
なりません。自走式の作業用機械など一部を除き、自動車などの車両は対象外の例に入っています。パソコンやタブレットのように目的外にも使えるものも対象外です。
今のホームページに施工事例を足すだけでも使えますか?
ウェブサイト関連費には、作成だけでなく更新や改修も含まれます。ただし、ホームページの費用だけでは申請できないので、同じ目的のほかの経費と組み合わせた計画にする必要があります。
採択されなかったら、制作費はかかりますか?
発注は交付決定のあとに行うため、採択されなかった場合は制作費は発生しません。そのまま自費で進めるか、次の回に申請し直すかを選べます。
制作会社が廃業したら、ホームページはどうなりますか?
ドメインとサーバーの契約が事業者ご自身の名義なら、別の会社に引き継いで使い続けられます。税抜50万円以上で作ったサイトは処分制限財産になり、一定期間は勝手に廃棄できないため、名義は申請前に確かめておいてください。